十干について
甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の十干の意味と特徴を詳しく解説します
四柱推命では「十干」はどういった意味があるのですか?
十干は四柱推命における重要な要素の一つで、それぞれが自然界の要素を表し、独特の意味と性質を持っています。以下、各十干について詳しく解説します。
甲(きのえ)
甲木は山や大地に聳え立つ大木(樹木)とみます。大きく育った大木は庚金(斧)を用いて伐採し、役に立つ棟梁の材と成すことです。(家の棟..むね、梁..はり)のことです。
庚金の斧が良く切れるようにするには丁火で焼きを入れて鋼をいれます。日主が甲木の場合は「庚と丁」がある事が看命の基本になります。
乙(きのと)
乙木は田園に咲く優しい草花又はつる草とみます。乙木が育つためには適度な太陽の火(丙)と天然の雨水(癸)が必要です。
乙木はいくら集まっても天に向かって伸びることはありません。天に向かって伸びるためには甲木に巻き付いて伸びる必要があります。これを藤蘿繋甲(とうらけいこう)と言います。日主が乙木の場合は「丙と癸」これが看命の基本になります。
丙(ひのえ)
丙火は壮烈な太陽の火とみます。太陽の火は季節によって強くなったり弱くなったりします。夏は太陽の火炎が強いので水の配合を必要とします。
冬は太陽の火が弱くなるので、太陽の火を映しその光を照らし出す壬水(大河の悠々と流れる水)を必要とします。日主が丙火の場合は「壬」これが看命の基本になります。
丁(ひのと)
燈火や薪炭のような人工の火とみます。太陽の丙火と異なり、人工の火ですので必ず薪の燃料を必要とします。火の燃料としても最も適しているのは甲木で、次に乙木です。
乙木は枯れ草の様なものですから一瞬に燃えつきてしまいます。すなわち熱しやすく冷めやすいとなります。甲木は庚金によって伐採されて薪になりますので、甲木があれば永続して丁火が燃えることになります。日主が丁火の場合は「甲と庚」これが看命の基本になります。
戊(つちのえ)
戊土は山や大地や堤防の土とみます。山には樹木があって森をなさないと「霊」が無く生き物が育ちません。
大地に水を与えて湿土に変えれば木が育ちます。日主が戊土の場合は「甲と癸」これが看命の基本になります。
己(つちのと)
己土は田園や畑の湿った土とみます。植物など万物を育むおおらかさと優しさと度量があります。湿田に水気が無ければひび割れを起こします。
湿田で万物を育む場合は丙火の太陽も必要です。日主が己土の場合は「癸と丙」これが看命の基本になります。
庚(かのえ)
庚金は荒々しい剛金、斧とみます。従って甲木を切り倒すのに使われます。鉱物である金が斧という形になるには丁火で焼き入れをする必要があります。
丁火が力強く燃えるには甲木の燃料が必要です。日主が庚金の場合は「丁と甲」これが看命の基本になります。
辛(かのと)
辛金は加工された優しい貴金属とみます。指輪とか貴金属のような精練されて美しく清い軽い金です。
従って辛は輝くことが必要ですので、流れ水で洗う事が必要があります。日主が辛金の場合は「壬」これが看命の基本になります。
壬(みずのえ)
壬水は大河に悠々と流れる水や湖水とみます。水は力強く流れていれば清いのです、源遠流長と言います。
従って春夏の季節に生まれた人は水が枯渇する可能性があるので、水と水源である庚金を必要とします。秋冬の季節に生まれた人は水が旺じて氾濫する恐れがあるので、戊土を以って制する必要があります。己土では水が濁ってしまうだけで役には立ちません。日主が壬水の場合は「壬と戊」これが看命の基本になります。
癸(みずのと)
癸水は天然に降る雨や雪や小川の水とみます。天然の雨は大地を潤し、暑さを緩和します。
従って春夏の季節に生まれた人は、雨の精が柔弱であるため庚辛金の水源を必要とします。日主が癸水の場合は「壬と金」これが看命の基本になります。
十干の理解のポイント
- 十干はそれぞれ自然界の要素(木・火・土・金・水)を表している
- 陽(兄)と陰(弟)の区別がある
- 各十干には相性の良い組み合わせがある
- 日主(生まれた日の干)によって必要な十干が決まる
- 十干の相互関係を理解することが四柱推命の基本
十干と五行の関係
五行 | 陽(兄) | 陰(弟) | 象徴 |
---|---|---|---|
木 | 甲(きのえ) | 乙(きのと) | 春・東方・成長 |
火 | 丙(ひのえ) | 丁(ひのと) | 夏・南方・繁栄 |
土 | 戊(つちのえ) | 己(つちのと) | 季節の変わり目・中央・安定 |
金 | 庚(かのえ) | 辛(かのと) | 秋・西方・収穫 |
水 | 壬(みずのえ) | 癸(みずのと) | 冬・北方・蓄積 |