四柱推命を学ぶ

基本から専門用語まで詳しく解説

通変星とは

日干に対して生年・生月・生時の天干と地支の蔵干がどういう意味を持つかを表わす用語で、星の代名詞です。四柱推命の通変星は比肩、劫財、食神、傷官、偏財、正財、偏官、正官、偏印、印綬の10種類です。通変星自体は最初から吉星、凶星があるわけではなく、吉凶はその力量、状態によって個別に考えていくべきです。

比肩(ひけん)

日干と同じ五行で、陰陽が同じもの
自立・独立

日干甲なら甲、乙なら乙が比肩。比肩らしくとことんまで極めるプロ意識が旺盛ですが意外と温厚で品位があり和平を好みます。不正やごまかしを嫌い自力で開運し、自分にも厳しい反面他人にも厳しい。

自分で経験し納得したものでないと認めない徹底さがあります。独立、自由業、金融業といった自由に采配がふるえる職業が向いていますが、ガツガツとお金を扱うと大失敗する可能性があります。

悪い面:クセが強く人との折り合いが下手で何事もやりすぎるといったことになりがちで、孤立無縁になってしまう可能性もあります。

劫財(ごうざい)

日干と同じ五行で、陰陽が違うもの
開拓・挑戦

日干甲なら乙、乙なら甲が劫財。強烈な個性の持ち主で信念の人です。とにかく自分が納得するまで利害に関係なくとことんまでやってしまう傾向があります。集中して物事を開拓する強さはありますが、金銭的な感覚には欠けていて、大きな財を扱うのは不得手です。

人間の表と裏がないので人に安心を与えますが、意外と騙されやすく、大きな財を失うことも多いようです。

悪い面:極端な思想や活動に走ることもあり要注意です。また、自分の欲望のために貪欲に際限なく、やりすぎてしまう傾向があります。

食神(しょくしん)

日干が生じる五行で、陰陽が同じもの
技術・芸術

日干甲なら丙、乙なら丁が食神。お金を生み出す源の星です。つまり自分の腕一本でやっていく技術者タイプで、人の管理や長としてのタイプではありません。比較的温厚で外見は大変にこやかで、人とことを荒立てるといったことは好みません。

勤勉に働くといったタイプではなく、ゆったりと人生を送る傾向です。

悪い面:目の前に利益に汲々して自分を忘れて危険をおかしてまでも利益を得ようとします。他人の迷惑を考えずに自分の主張を頑固に通すといった傾向もあります。

傷官(しょうかん)

日干が生じる五行で、陰陽が違うもの
才能・表現

日干甲なら丁、乙なら丙が傷官。社会面では独特の個性と才能と頭脳、慎重さで成功していく人が多いのですが、本音は人に見せない傾向があります。知恵があり、弁舌もさわやかで闘争心を内に秘めていますから激烈な競争分野でも生き抜いていけるタイプです。

技能やスポーツなどの世界で才能を発揮します。

悪い面:自分を押さえる官星を破る星ですから、まるで自分の発言や行動に押さえが利かず、人の迷惑を考えずに行動してしまう傾向があります。節操がなくなり、無軌道になってしまう傾向もありますので注意が必要です。

偏財(へんざい)

日干が剋す五行で、陰陽が同じもの
商売・交際

日干甲なら戊、乙なら己が偏財。具体的にお金や品物が動く世界で実力を発揮します。大きな組織の管理された環境では才能が発揮されず転職をする人が多いのが特徴です。中小の企業などである程度自由にやれる環境で初めてその才能が発揮できます。

趣味が豊かで好奇心が旺盛ですが、物欲や性欲や飲食欲に支配されないように注意が必要です。現実感覚に優れ社交性があり、何より心の度量が大きいものがあります。

悪い面:人を押さえる力が強すぎて暴走したりするか、あるいは、臆病で何もできないかのどちらかの傾向が表れます。

正財(せいざい)

日干が剋す五行で、陰陽が違うもの
堅実・蓄財

日干甲なら己、乙なら戊が正財。正しい清い考え方を行い、物事の処理を巧みに行う能力がありますので、社会で安定した成功をします。人から好意をもたれ人望が厚いのが特徴です。交際関係も派手ではありませんが、安定したものがあります。

着実性と勤勉さが一番の特徴で神経は人よりも細かいです。

悪い面:ケチでお金お金といつもお金のことを言っているような傾向になります。また正義感もきれいごとだけになってしまい泥と汗を流す役割を嫌うようになります。

偏官(へんかん)

日干が剋される五行で、陰陽が同じもの
行動力・統率力

日干甲なら庚、乙なら辛が偏官。分相応のことをやれるタイプで決して無茶な行動はとりません。自分が認めた人間に関しては面倒見が良く親分肌ですが、仕事は徹底し人情をはさむことはありません。荒っぽさがありますが、革新的で豪放的でいわゆるやり手といった人が多く、統率力を生かして出世する傾向があります。

悪い面:強引で押しが強すぎて暴言を吐き、強圧的なワンマンといった傾向もあります。また威張って人を見下すようになるか、内気で臆病で何もできないようになるかどちらかの傾向が表われやすくなります。

正官(せいかん)

日干が剋される五行で、陰陽が違うもの
責任感・組織力

日干甲なら辛、乙なら庚が正官。いわゆる社会や組織でうまくやっていける能力があります。習慣や儀礼などもうまくこなし、理性的であり不正を嫌いますのでリーダの条件が備わっています。根回しなどの政治力や組織の管理能力にたけていますので組織の中では地位と名誉に恵まれる傾向があります。

悪い面:自分を押え込みすぎる傾向がでてしまい、保身だけに気をとられ大きく伸びることができないようになってしまいます。人に使われるだけで感謝できずに文句が多く融通性もないといったことにもなってしまいます。臨機応変に対応する能力にも欠けます。

偏印(へんいん)

日干が生じられる五行で、陰陽が同じもの
独創性・専門技術

日干甲なら壬、乙なら癸が偏印。とにかく頭の回転が早く、何事も要領良くやることができます。真心をこめてやるよりも要領を最優先します。積極的に対人関係を広げるタイプではなく、職人、特殊技能の世界で自分のスタイルで生きていきます。

知性や感性が中心の生き方ですので実務面はあまり得意ではありませんが、とにかく斬新な考え方をするアイデアマンです。

悪い面:将来的なことをあまり考えずに、自分の楽しみや趣味ばかりに熱中し、仕事を最後まで責任をもってやりとげるといったことができない傾向になります。従って何事も不安定で混乱を招き、自己本位になりやすい場合があります。

印綬(いんじゅ)

日干が生じられる五行で、陰陽が違うもの
学問・精神性

日干甲なら癸、乙なら壬が印綬。知性、感性、創造、音楽といった学問的・精神的分野で才能を発揮します。実利に関わるのは得意ではありませんが、人気があるため、人から好かれ多くの人脈ができますので、お金に不自由することは年をとるにつれてなくなります。

困ったことがおきても人が助けてくれる特徴があります。正直ですので政治的かけひきは得意ではありません。

悪い面:他人の助けだけをあてにして、自分では努力しないで楽をしようとする傾向になります。また要領が悪く、努力するわりには実績がでずにイライラすることがあります。お人好しで甘えん坊で言うことが観念的で具体的に欠けるといったようになります。

通変星の理解のポイント

  • 通変星は日干を中心とした他の干との関係性を表す
  • 同じ通変星でも陰陽の違いで性格が異なる
  • 通変星自体に吉凶はなく、バランスが重要
  • 職業適性や人生の方向性を示唆する
  • 複数の通変星の組み合わせで総合的に判断する

通変星の分類

分類 通変星 特徴
比劫星 比肩 自立・独立・競争心
劫財 開拓・挑戦・協調
食傷星 食神 技術・芸術・温和
傷官 才能・表現・批判
財星 偏財 商売・交際・活動
正財 堅実・蓄財・安定
官星 偏官 行動力・統率力・革新
正官 責任感・組織力・保守
印星 偏印 独創性・専門技術・個性
印綬 学問・精神性・人気